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亜鉛のもたらす有効性や毒性は 牛、羊、人間など、馬以外の動物に対してのみ かなり解明されてますが、残念なが
ら、特に「馬 」に対する役割は まだ完全に解明されていないというのが現状です。
ただし、同じ哺乳類動物として亜鉛は多くの酵素ホルモン組織の形成に必要不可欠であると言うことが他の動物と同じ
であると考えられますし、以下のA)<から J)までで示してある これら馬以外の動物の効用が馬にも適用されると仮定 されます。
馬の場合、成馬であれば 40mg程度が1日の必要摂取量と言われています。しかしながら、亜鉛は銅とは違って 過
剰に与えた時の「毒性」が強く、下記の様な障害が出ます。
貧血 ・ 骨端炎 ・ 硬直 ・ 骨粗相症また、微量元素の相互作用で説明した組み合せ(競走馬に必要な微量元素)の法
則によって亜鉛の摂取が過剰になると、体内において自然と銅不足を引き起こす為、銅不足で起こりうる症状も間接 的に発生する可能性があると考える必要があります。
数年前、オーストラリアのある牧場で それまで何年も続けて骨粗相症の馬が出る確率が非常に高いという事があった
為、その土地と そこに生えている牧草を検査しました。その結果、亜鉛の含有量が異常に多く、計算してみると、馬1 頭あたりが1日に 約90gもの亜鉛を摂取していたという事実が判明したのです。
そして、その理由が その牧場の近くに亜鉛の鉱山があった為とされているのですが、これが決定的な亜鉛過剰の毒性
の判例として今でも語られています。
前項の 亜鉛のもたらす効用に記した効力の数々は馬以外の動物のものですが、これを馬におきかえて考えてみます
と、A)、B)、D) が重要になり、繁殖牝馬を考えた場合などはH)と I)が重要で、競走馬としての必要性からすると、 C)、E)、G)あたりが重要になってきます。特に H)に関しては 競走馬の生産上、経済的観念(種付けから受胎までの 過程と 堕胎の防止など)も絡んでくる効力であり、特に生産者側からすると、繁殖牝馬への亜鉛の適量範囲内での補 充は絶対であると言えるのではないでしょうか。
繁殖牝馬に対して望ましい亜鉛の摂取量は1日約200mgと考えられます。これは 繁殖でない普通の馬より多い数値
になりますが、亜鉛の持つ効能と繁殖牝馬として求められる生殖的、及び生理的作用を考えて微量元素の安全域の 範囲内で 普通の馬よりも亜鉛を増量させています。
また、出産の3ヶ月くらい前から次の種付け後の受胎確認までの期間においては 1日約300mgの亜鉛の摂取が理想
的であると考えます。
上記の数値は、まだ馬に関しての微量元素の「安全域範囲」内ですが、その吸収率によっては銅の消失を起こすこと
があり、この時点で銅の摂取不足の範囲にいる馬の場合、この消失により 銅の「欠乏域範囲」に入ってしまい、それに よる障害が出てくる事になります。
従って、亜鉛の量が通常より少し増える分、銅も必ず必要量与えておく必要があります。銅の量が不足の域にあるか
どうかの目安として 亜鉛が4に対して 銅が1という比率を参考に与える量を調整するのがベストです。
つまり、亜鉛の摂取量が400mgの時、銅は最低100mgないといけない訳です。なお、銅の過多による亜鉛の消失は
ありませんので 逆パターンの心配はありません。
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